中国・台湾・香港などの漢字圏の方々は、日常から氏名を漢字で表記していると思います。しかし、日本で中長期在留者となり、交付された在留カードに記載された氏名がアルファベット(英字・ピンイン)だけで表記されていることがあります。
これって何かと不便なことがあります。
以前、次のような方がいらっしゃいました。
その方は香港から経営・管理ビザで来日したのですが、在留カードに記載された氏名はアルファベットだけでした。その方は個人の実印を印鑑登録しようと区役所に行ったのですが、印鑑登録をすることができませんでした。
理由は、香港で使用していた個人の実印は漢字で表記されていますが、区役所で提示した在留カード(身分証明書)にはアルファベットでのみ氏名が表示されており、区役所では本人確認が出来ないということによるものです。
では、「海外から初めて来日する際の手続きである認定申請(海外から日本に呼び寄せる手続き)を行うときから、漢字名を入れて申請書を作成すれば良いのではないか?」ということになりますが、パスポートに漢字氏名の表記があっても手続き上これは出来ないことになっています。
在留カードに漢字氏名を入れることができるのは、すでに在留する中長期在留者(すでに在留カードを持っている方)が、ビザの変更や更新をするとき又は本人の自由な意思で在留カードの交換を希望をするときです。
変更や更新のタイミングを考慮せず、本人の自由な意思で在留カードを交換しアルファベットと併記して漢字の氏名を入れたいと考える方は、以下の書類1)2)を用意して地方入国管理局にて手続きを行ってください。
1)在留カード再交付申請書(要写真4cm×3cm/1枚)
法務省ウェブサイト「交換希望による在留カードの再交付申請」
⇒期間の定めなし、原則として手数料(収入印紙)1,300円、原則として即日交付
2)在留カード漢字氏名表記申出書
法務省ウェブサイト「在留カード漢字氏名表記申出書」(漢字氏名の併記を希望する場合に限る。)
【注意】
※上記の手続名は、「交換希望による在留カードの再交付申請」です。その他、(紛失等・汚損等の)再交付の理由によって書式が異なりますので、ご注意ください。
【参考】
法務省ウェブサイト「紛失等による在留カードの再交付申請」
⇒原則として事実を知った日から14日以内、手数料なし、原則として即日交付
法務省ウェブサイト「汚損等による在留カードの再交付申請」
⇒原則として期間の定めなし、手数料なし、原則として即日交付
ここでポイントをまとめると次のとおりです。
【ポイント】
-
漢字圏の方だけが対象です。
- 認定申請(海外からの呼び寄せ)では、漢字氏名表記はできません。
- 原則としてパスポートに記載された漢字表記となりますが、日本国法務大臣が告示で定めた範囲で漢字表記がなされるため、パスポートや申請書(及び申出書)に記載した漢字と異なる場合があります。
- 変更申請や更新申請のタイミングに合わせて「漢字氏名表記申出書」を提出すれば、手数料なしで漢字氏名表記ができます。
- 変更申請や更新申請以外のタイミングで、漢字氏名表記を行いたい場合は、上記1「交換希望による在留カードの再交付申請」と上記2「在留カード漢字氏名表記申出書」を合わせて提出することで、新しい在留カードには漢字氏名がアルファベットと併記されます。
- 新しい在留カードは原則として、即時発行されます。
- 新しい在留カードが発行されたら、収入印紙1,300円を手数料として納めます。